高度な知識や経験を持つ専門職が本当の実力を出せるのは、現場の人材や組織力がある程度、備わっている必要があります。
指摘されたことを前向けに受け止めて理解し、自身のスキルアップにつなげていくためには、一定レベル以上の基本が整っていなければいけません。
あまりに両者の意識に差がありすぎると、妙な反発心が芽生えてしまいせっかくの専門的な知識や指導が聞き入れられません。
そこで両者の溝をある程度埋めておくためにも、現場の成熟度に応じて段階的に反映させるなどの工夫が必要です。
時には人事面も考慮して、古い体制を維持しようとする人材の配置転換やリーダーとなる人材の起用など、組織強化を行う事前のテコ入れが効果的なことも少なくありません。
専門職として最前線を経験した人物の中には、より高度な知識を提供することが得意なタイプもいれば、弱者組織の強化アップが好みのタイプもいます。
特に前者が得意な場合であれば、中級以上の実力を備えた組織を受け持つことが望ましく、後者の場合には初歩的な組織の中で奮闘することで自分を活かせます。
組織を強化することは、企業としても重要なマネジメントの意識と理解がなければ行うことが出来ません。
現場の意識や技術の向上を達成する為には、短期間で一気に改善策を打ち出すのではなく、組織としての連帯感をまずは育てていくことも重要です。
つまり専門職に就く側も、経験などを見せびらかすのではなく、組織の成熟度に応じて向上プランを立てる方が良いでしょう。